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ザ・病気

マイコプラズマ肺炎

マイコプラズマという病原体は肺炎や気管支炎をおこしやすく、特に5歳以上の幼児、学童が発病しやすい病気です。

潜伏期間は2~3週間で、はじめは咳や発熱から始まり、徐々に悪化します。痰が出にくいようなしつこい咳が、特に夜中にひどく、39℃から40℃に及ぶ高熱が続くこともありますが、その割には元気だという印象です。初期には普通の風邪と区別が難しく、一般的に使われるペニシリン系やセファム系の抗生剤が効きません。胸部レントゲンを撮って初めてマイコプラズマ肺炎が疑われるということになります。

以前はマクロライド系の抗生剤が有効でしたが、この10年くらい前から、この抗生剤が効かない菌が増え、今では9割以上が耐性菌だというデータもでています。副作用のため、8歳未満のお子さんには使用が難しいミノマイシン、またはキノロン系の抗生剤が有効ですが、こちらは解熱するまでに3~4日かかります。

正確な診断は、のどの奥を綿棒でぬぐって抗原を調べる方法と、血液検査で抗体価が上昇したことを証拠として診断する方法があります。ある程度咳がおさまるまでは伝染力があり、登園、登校できるようになるまで2週間くらいかかります。家族にうつったり、親からうつされることもありますので、全身状態が悪くなくても、長引く咳や夜だけ発熱が続く場合は放置しないで病院を受診しましょう。