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ザ・病気

こどもの肥満症

子供の肥満は身長と年齢から標準体重を割り出し、それに対して何%上回っているかを示す数字(肥満度)で判断します。いつから肥満がはじまったか、ということも大切なので、横軸に年齢、縦軸に身長や体重をプロットした成長曲線をつけてみ てください。母子手帳を参考にするとよいと思いますし、病院には肥満度判定曲線というグラフもありますので、簡単に肥満度がわかります。肥満度が、幼児では15%以上が太り気味、学童では20%以上が肥満、50%以上は治療の対象です。

肥満は、生活習慣病と呼ばれる2型糖尿病、脂質異常症、高血圧などの原因となり、子どもでも動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中をおこすリスクを高め、寿命を縮めます。太っていると運動を苦手にし、運動嫌いはさらに運動不足という悪循環を招きますし、体形へのコンプレックスやいじめから友人関係がストレスになり、不登校につながるケースもあります。家にひきこもれば、さらに過食という誘惑が待っています。

こどもの肥満を放置せず、できるだけ早い時期に家族全体で食事や生活習慣をみなおし、根気よく肥満対策を続けることが大切です。平成28年度から福岡市内の小中学校では肥満度が30%以上は病院を受診し、生活習慣病などの合併症についての検査を受けるよう通達を出すことになりました。