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ザ・病気

インフルエンザと治療薬

インフルエンザは世界各地で流行を繰り返し、乳幼児から老人までかかるウイルス感染症です。
ウイルスの抗原性が毎年のように変異するため、一生のうち何回もかかってしまいますし、普通の“かぜ”とは異なります。

インフルエンザの特徴

  1. 突然の高熱から始まることが多く、3~5日間(子供では5日間)続きます。
    乳幼児は熱性けいれんをおこしやすい。“熱せんもう”*もめずらしくなく、うわごとや、幻覚、突然暴れたり走り出したりなどの異常言動がしばしばみられる。
  2. 咳 、鼻汁、鼻出血などの呼吸器の症状だけでなく、頭痛や筋肉痛、倦怠感など全身症状が強い。
  3. 飛沫(くしゃみや鼻汁、せきなど)による伝染力がつよい。
  4. 乳児や高齢者では気管支炎、肺炎、中耳炎などの合併症をおこしやすく、脳炎・脳症により後遺症を残したり、また心筋炎により突然死をきたすこともある。

熱せんもうとは

40℃以上のような高熱の状態では、寒気で手足をけいれんさせたり、一時的にもうろうとして意識がないように見える、幻覚のためにうわごとを口走ったり叫ぶ、怖いものから追いかけられているように突然走り出すなどの異常行動がみられることがあります。インフルエンザでは特に頻度が高いようですが、高熱による一時的なものです。中高校生の男子では窓や階段から飛び降りるなどの事故につながることもありますので、高熱が続くはじめの2日間くらいは目を離さないように注意してください。

治療薬

  1. タミフル(ドライシロップとカプセル)
    1日2回、5日間、内服します。ドライシシロップは後味が苦いようですので、アイスクリームなど甘いものに混ぜてのませてください。体重が37.5kg以上であれば、カプセルも処方できます。
  2. リレンザ(吸入藥)5歳以上
    1日2回、5日間、粉を吸入します。7歳以上でないと確実にできないかもしれません。
  3. イナビル(吸入藥)5歳以上
    1回限りの粉の吸入で5日分の効果があります。やはり7歳以上をお勧めします。
  4. ゾフルーザ(錠剤とドライシロップ)
    1回飲むだけです。
  5. ラピアクタ(点滴)
    入院をしたうえでの点滴になります。

どの治療薬も解熱するまで2日前後はかかります。その他、解熱剤や、咳、鼻汁、下痢など症状に対する治療薬を必要に応じて併用していきます

登園・登校停止期間

法定伝染病に指定されていますので、発症後登園、登校まで停止期間が決まっています。

幼児は、発症(発熱の始まった日)から数えて最低6日間、なおかつ、解熱した翌日から3日間は自宅待機です。

小学生以上は最低6日間は同じですが、解熱した翌日から2日間になります。

こんな時はすぐ小児科につれて行きましょう!

  • 手足をつっぱる、がくがくする  ぼんやりして視線があわない
  • 目を凝視させて意識がおかしい
  • 眠ってばかり
  • 幻覚があるようで、意味が解らないことを言う
  • 呼吸が早く息苦しそう、肩でゼーゼー呼吸する
  • 顔色が土気色、唇が紫色、色がない
  • 胸部の痛み
  • 嘔吐や下痢で水分がとれず、ぐったりしている